トピックス, 中国関連

中国と日本を行き来、西村社長コラム~土地の活用法を考える~

2020 年 4 月 6 日 月曜日

日本の農地において、作付けされない土地が大きく広がりつつあることは周知しています。全く作付けされない水田である休耕田、畑を耕さない耕作放棄地、遊休農地、休耕地などと呼ばれています。何故このような農地が数多く出現しているのかはともかく、放棄とか遊休とか言葉としては、すべてのその土地の所有者に対して失礼な言い方のような気がしますが、全体から見れば大きな問題であるに違いありません。

どの位の農地が、農業の実態がないかというと全国で40万ha、50坪の土地に家が建つとすると2400万個、日本の総所帯数は5000万程度とされていますから、その面積の大きさが理解できます。国、自治体、その他多くの方々がこの解決策を研究している訳ですが、専業農家の土地集積による規模拡大、企業による農業への参入等はあまり進んでいないようです。

地域的に見れば、再活用策として花畑を作って観光地化、市民農園として開放、太陽光発電に活用といった面で有効とされていますが、いざ実施するとなると新たな財源が必要となることや、維持管理とその投資効果としての収益が利にかなうのか、問題は大きいでしょう。地域が一丸となって無報酬、ボランティアでと言っても限界があります。

中国では現在ありとあらゆる地域が農村地域振興プロジェクトで盛り上がっています。都市建設に関わる不動産の今後の発展がそろそろ限界に来たことや中央政府トップの掛け声もあり、地方における地産地消や観光農業、体験農業、リゾート開発などの案件が軽く万を超える地域でスタートしようとしています。

中国でも地方や都市近郊の農村において農地が荒れていることも背景にあります。何を作っても金にならない、それでは都会で農民工として、あるいは工場や店舗で雇われるといった具合です。各地方政府は村単位で土地を没収し、これを都市部のデベロッパーへ売却、あるいは観光農業用地としてまとめて貸し出すプロジェクトです。その大きさは50haとか500haとか途方もない規模で、その多くに政府の予算が使われます。開発業者にとっては新たな金づるで、しばらくこの分野で活況が続きます。私はこれを「中国の中国人による中国農地の植民地政策」と呼んでいます。

中国人は現在、日本を観光農業先進国と呼び、日本の地域視察の希望が今後増えるでしょう。これらの観光客の中にはこのような目的を持つ者が少なくありません。日本の農地の問題はあまりにも大きい反面、中国の政策も有効な面があるかもしれず、私はしばらくこのことに注目して行くつもりです。

西村社長プロフィール

西村 潤(にしむら・じゅん)
鹿児島県出身。京都府立大学 農学部修士課程卒業、
種苗会社等で、野菜・花きの育種および事業に携わる。
現在、中国農業関連企業主席専門家、杭州万向職業技術学院教授
2012年ECASジャパン代表取締役就任 日中を飛び回る忙しい日々をおくっている。


▲ページの先頭へ