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セミナー報告

第51回 モーニングセミナー


「オランダの市場統合と世界の市場への影響

        オランダ アールスメイア花き卸売市場
        ユルン・アウトフースン氏(Mr.Jeroen Oudjeusden)

 

日時   :2007年7月10日(火)9:00~11:00

場所   :法政大学新一口坂校舎101教室

アールスメイア市場について

オランダアールスメイア市場は生産者の協同組合であり、生産者はオークションシステムに大きな発言力を持っています。世界初の海外のメンバーを集めた市場で、オランダ国内はもとより、イスラエル、ケニアからの5,000の農家がいます。5つの場所に13のせり機があり、せりで売られるのは75%が切花です。非常に多くの品揃えがあり、2,000のバイヤーが参加しています。リモートバイイングが25%を占めており、イタリア、フランスなどから参加しています。
 実際にせりに参加されている方も、リモートバイイングに参加しています。せりでの販売は3分の2の売上となっています。切花では75%がせり売りに比べ、鉢物では3分の2が前売りです。  
 前売りは大変便利に活用されています。生産者が自分たちの花をいかに売りたいかというプロモーションの部分に力を入れるようにしており、個々の生産者にマーケティングのアドバイスをしています。通常、市場は取引成立で生産者とバイヤーから手数料をいただきますが、プロモーションについてのアドバイス料がいただけます。このシステムは日本の市場も今後考えていけばいいでしょう。その他品質チェックや、保持のためのアドバイス料なども考えられます。
  アールスメイアではドイツに一番花が出荷されています。販売10位までが200キロ圏内、9番目のロシアは遠いですが、昨年の成長率は27%でかなり重要な国になってきています。10年後には4位くらいになっていると予想されます。 日本は25位と落ちてきています。残念です。世界の消費を見てみると、ポイントとなるのは40%はヨーロッパで消費されているということです。花の生産と消費の関係は、南で作って北で消費するということです。南アメリカ生産分は北アメリカで消費され、アフリカ生産分はヨーロッパで消費され、東南アジア生産分は日本で消費されています。5年前に小川先生がこれから15年くらいで環境のことを考えると南から真北に上がるしかないとお話されていた。今、イギリスの市場では、フードマイルという言葉があり、ここに来るまでにどれだけエネルギーを使っているかを表しています。最近はフラワーマイルという言葉もできてきています。ケニアの生産者は、豊富な太陽光があるのだが、更にソーラーパワー発電を使い、ヨーロッパまで飛行機で運ぶCO2をこれで相殺しています。

マーケットの予測 

これから25年でオランダ花市場は伸びると思っています。これから伸びる産業が少ない中、花産業に携わり、嬉しい限りです。しかし花産業が伸びるといっても、すぐに利益が得られるとは限りません。生産と販売が国際的になり、ケニアからだけでなく、コロンビアからも簡単に飛行機で送って来られる時代です。生産と販売は分極化していくと予想します。
 ロジスティックの進歩で、東ヨーロッパまで1週間で1~2度行っていたのが、今ではトラックが毎日行くようになりました。 次の大きな変化は海上コンテナで1ヶ月かけて運搬するということです。ロッテルダムに1ヶ月かけて運び、それが普通に売られていくことになります。既にケニアからロッテルダムやマルセイユにどうやって持って行くか、コロンビアからアメリカへどうやって持って行くか、海上コンテナで試験されています。また地球資源がなくなるところで、代替のものを使うようになるでしょう。
 最後に大規模な小売の増加があります。小売の力はイギリスで大きいのですが、他のヨーロパもだんだんその傾向に近づいています。例えばテスコならホームグロウンから直接買っており、閉鎖チェーンで取引しています。もう一つは生産者からの直接取引です。ケニア・エチオピアの生産者が市場を介さないで取引をしています。本来、これらの要素が起こって来れば、市場は利益を得られなくなりますが、如何に先読みして動くかが市場の力になるので、合併という動きが起こってくるのです。

合併の理由 

供給市場の拡大については、オランダは勿論、他の国の生産者の生産規模の伸びは大きいです。今、バイヤーは市場のメンバーだからここで買うというより、物流コストや価格で購入を決めるようになってきました。
 需要を見ると、規模の経済が大きくなってきました。会社群が密接に協力するようになってきており、更に技術開発によってリモートバイイングができるようになってきました。いろいろなことがおこっていますが、この現状に対処するために、合併を選んだのです。合併は守るためでなく、打って出るためのものです。技術の開発については、海上コンテナでの輸送が影響を与えてくれるだろうと思います。今まで輸出市場では、ダイレクトに物が行くので市場はそれを扱えませんでしたが、これから市場は必要とされる商品がケニアにあるといった情報発信をする活動をしていきます。
 合併で大事なことは、効率的に動きたいということです。オランダの花市場をもっと強くしていきます。また生産者の売上を上げるため、市場で透明性のある活動をしていきます。2010年には43億ユーロの売上を予想しています。
 利益は約1千万ユーロを予測しています。ただ利益があっても税金に持っていかれるのでもっと有効に使うつもりです。合併により、6つの取引場所を持つことになります。3つは輸出用、3つは内地用に使用します。毎日39時計せり機が動き、一日12万5千取引が行われ、年間120億本、6億鉢の取扱量となります。仲介・先取りのメディエーションオフィスは1つに纏まります。輸入専用のインポートオフィスが1つ出来ます。

合併の効果

高い位置と市場勢力の効果があります。またコンテナなどの物の共有により、900万ユーロのコストセーブができます。台車を共有することにより、運びやすくなり、販売やトレースもしやすくなります。合併により、一般社会に対して提言も行いやすくなります。グリーンポートという起業家精神を高める活動への投資や、電子取引の安全・簡潔化、流通の効率化のための団体などへの支援ができます。
 合併の後、どのようなところに焦点を合わせるかについては、来年の指針となり、現在調整をしています。ただまだオランダ政府からの承認を得る必要があります。独禁法に触れる恐れがあるので、いろいろな質問がされており、7月末に結論が出ます。また3分の2の組合員の合意がなくては合併ができず、9月19日に決定されます。オランダ政府の許可と、組合員の合意を得られれば、来年1月1日に合併し、新しい市場が誕生します。