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セミナー報告

2007年 「お花屋さん活性化セミナー」 


2007年度 「お花屋さん活性化セミナー」

 

日時   :2007年6月19日(火) 14:00~17:10

場所   :法政大学ボアソナードタワー 26階 スカイホール

主催   :日本フローラルマーケティング協会 

共催   :法政大学イノベーション・マネージメント研究センター

小川会長の開会挨拶

恒例の「Shall We Flower?」から始まった小川会長の挨拶。初参加の方も多数参加された事からJFMAの活動内容を説明されました。その中でもプロモーション活動を中心に先月末に発刊したフリーペーパー「In Flower」の紹介、切花よりといわれていたIFEXに、グリーンよりの「GARDEX」開催を加えるとの発表、そして将来の消費者を育てる意味も含めた花育の愛称「はなごと」とそのロゴの発表をされました。

第一部  対談 お客様にとっての安心安全とは?  

「もう一歩進んだ取り組みへ」
 「気持ちだけでなく行動が大切」 小川 孔輔 × 植原 千之
お花屋さんセミナー
小川:まず最初にイオンの環境への取り組みについてお話頂けますか?

植原:イオンでは1993年から「グリーンアイ」という環境に配慮した活動を行っております。 GAP(農水省が勧める法令順守、安全対策などの農業模範)に加え、肥料農薬、環境への配慮、労働条件、雇用への対応等、今後の農業についての大きな柱になることを積極的に取り入れています。これらを四つの輪(社会の健康、人の健康、環境の健康、企業の健康)を行動理念としております。

小川:四つの輪(社会の健康、人の健康、環境の健康、企業の健康)の話が出ましたが、日本と海外、特にヨーロッパでは各々へのアプローチにどんな違いがありますか?

植原:日本は2000年頃、輸入農産物の産地偽装問題、農薬残留問題、BSE問題等のどちらかといえば「食の安全」の面からアプローチが始まりました。しかしヨーロッパ各国は国策とし「輸出するための農業」をしてきました。生産量増加のために農薬を多く使い国土汚染が起った為に、現在のような有機農業、環境問題への取り組みが行われるようになりました。

小川:なるほど。日本では先ほどの「四つの輪」の中で「環境」と「社会」の健康を重視していると思うのですが?


植原:花業界ではそうだと私も思います。野菜とか食品になると違ってきますが(笑)


小川:そうでね(笑)イオンの中で安全安心に取り組むとき「グリーンアイ」はどのような位置づけなのですか?


植原:「グリーンアイ」というのは生き方を表すライフスタイルブランドだと考えております。ライフスタイルとは食だけでなく衣食住全てを含んでいるということになりますので、お花を「グリーンアイ」として出来ないかと考えています。これは今回のセミナーで小川先生とお話させて頂いた中で色々と感じたことでもありますので、今後ともお話出来ればと思います。 

小川:先ほどのお話だとGAPは手続き的な管理的なものなので、我々がMPSで取り組んでいる農薬や肥料、エネルギーの使用量等の測定指標と、上手く擦り合せていけるものだと感じましたか?

植原:イオンの場合はMPS的な基準管理の発想からGAPを取り入れたという経緯があります。その面で非常にMPSに近い発想を持っていますね。 

小川:そして我々が目指していっているものというのはそういった、MPSの使い方という指標の所になると思います。それの改善に、GAP等の手法を使っていくということになると思います。

植原:そうですね。

小川:ということは今後、イオンさんと我々MPSJapan、またはMPS本部は、 「もう一歩進んだ取り組みをスタートする」と宣言してよろしい訳ですよね? 

植原:そうなりますね。一生懸命頑張っていきましょう(笑)



第二部  「お花屋さんから見たMPSとは?  

人にも花にも優しい花き認証プログラム:MPSの導入

松島 義幸 氏(MPSフローラルマーケティング株式会社 代表取締役社長)

 

 「今、なぜMPSなのか?」。食品では、産地偽装問題、BSE問題などで不安を抱えている消費者の方々にどうしたら安心安全がお届けできるかで対応してきました。花き業界は何をしてきたのかが根本にあります。私達業界は、お花屋さんの店頭で、トレーサビリティどころかその花が海外産か日本産なのかすら判らない。MPSは、勿論、環境負荷低減を進めるシステムですが、もう一度「お客様に届ける商品」について考えていく機会だと思っています。
   いよいよ4月からMPS参加マークのついたお花が店頭に出回り始めました。オランダを初めとした海外では、MPSは、市場中心の取組みでマーケティング的な発想はありませんでした。一方、日本では、MPSを推進していくには、消費者を意識した取組みが不可欠で、消費者への認知、アピールが重要となっている。MPSへの参加は、環境負荷低減の取組みであるが、MPSマークを付けることで、日本産であることのアピール、トレーサビリティがとれることで産地表示、鮮度明示などいろいろな可能性を持つことが可能となる。安心安全のブランドとして花の消費拡大のツールとしていきたいと考えているMPSの認知度を高めるためと、MPS参加マークの付いた花が消費者にどう受け止められるか、付加価値を認めてもらえるかどうかを調査するためにお花屋さん店頭でのテストマーケティングを行いました。MPS商品を購入した方へのアンケート調査の結果、「農薬や肥料を減らしたお花を積極的に買いたいと思いますか?」の問いに対し80%の方々が「是非購入したい」という答えを出しました。また、環境配慮した花の購入価格については、10%増が47%、20%増と答えた人も37%という結果が出ました。1回の調査で結論付けられませんが、環境配慮にそれなりのコストを消費者に負担してもらう可能性はあることは言えると思います。
 このように環境配慮花に対しての需要が高まっているとは言え、「MPS」という言葉の認知度は、当然とは言いながらないに等しい状況です。引き続き「MPSマークの認知度アップ」、「MPSマークの付加価値の模索」を行って行きたいと思います。これからもご協力とご支援宜しくお願いします。


第三部  パネルディスカッション 「お花屋さんを活性化するには?」


井上 英明 氏  株式会社パーク・コーポレーション 代表取締役社長
坂本 哲夫 氏   株式会社小田急ランドフローラ 代表取締役社長
富田   斉  氏  株式会社ジョイフル本田 執行役員
日坂 明広 氏 有限会社ブロッサム 代表取締役社長
司会:遠藤 次男 氏  遠藤流通研究室 代表


遠藤:マーケット拡大の為に必要なことと、取り組んでいることは何ですか?

日坂:特に意識して取り組んでいることはありませんが、お客様が何かをプレゼントしようと思った時、 すぐに花が思い浮かぶように、特にうちの花が浮かぶようになればと考えながら店を作っております。 このようなイメージの追及により自然と他店との差別化がされていったのだと考えております。 売上としては「プリザーブドフラワー」が伸びていますね。

坂本:うちも「プリザーブドフラワー」を取り扱っています。特に季節感を出すことにこだわりを持っていますね。
   
遠藤:日坂さん、2番手会議という店員育成の手法についてお話いただけますか?

日坂:従業員は24~30人いますが、少人数の運営ですので辞められた時の対応が大変になります。 そこでこの問題を軽減する為、人材育成に力を入れております。経験の薄い従業員でも自由な発言が出来る雰囲気を作り、我々がそれをサポートしていくという形です。

遠藤:次にジョイフルさんはどうですか?

富田:ジョイフル本田では季節の先取りを重視し、商品は最後まで売り切るという方針です。それと圧倒的な品揃え、圧倒的な安さをモットーとしております。また「かすみ草」等、産地で生産をやめていく商品をあえて使い、生産者の協力の元、産地とのタイアップをしております。周りがやめていくものを拾っていく売り方が当たっている感じがしますね。

遠藤:地方中心に店舗がありますが、やはり仏花需要は多いですか?

富田:そうですね。菊を含め売り上げの40%近くは仏花が占めていますね。

遠藤:輸入花も取り扱っていますか?また輸入花の割合は増えていますか?

富田:取り扱っていますが減っていますね。輸入花は輸送費などが絡み割高ですしね。

遠藤:小田急さんは新宿駅に5店舗を構えておりますが、それぞれの差別化についてお話いただけたらと思います。


坂本:大家からすると同じ商品構成、客層の店が隣接していてはつまらないと考え、カジュアルさを追求した店や、 盆栽の店、当社で独自に開発したフラワーケーキなどの特化した店を作ってきました。 活性化としてはターゲットを若い人を中心とした販売をしております。そして課題は接客サービスと、新商品発表の間隔を短くしていくことですね。


遠藤:ありがとうございます。続いて井上さんお願いします。

井上:青山フラワーマーケットは切り花需要の増加を目指しております。 また、品揃え、品質、産地等の情報提供、接客サービスの向上を常に考え、プレゼントだけではなく日々のライフスタイルに加えてもらうという「自家需要」を増やして行きたいと思います。


遠藤:最近の客層の変化はありますか?  

坂本:やはり40~60代の女性が圧倒的に多いですね。男性客を取り入れるという壁を崩すのは難しいですね。

富田:お客様が自然と入れるような雰囲気の売り場作りにしたせいか、男性客は確実に増えてきています。

日坂:やはり女性客が全体の9割を占めています。

遠藤:販売チャネルの一つとしてネット販売があります。花業界でのネットビジネスの状況はどうですか?

井上:オンラインショップでは商品が店舗とは違う映え方、栄え方があります。よって売れ筋商品も異なりますがギフト需要 に強いです。また、店舗が無いので利幅が大きいということも挙げられますね。

日坂:現在は行っていませんが、今後、広域向けにネット販売、中域向けにはカタログ販売、地域にはブランド化と、各域に合わせた販売方法をとって行きたいと思っています。


富田:ジョイフル本田ではネット販売は考えておりません。

坂本:ネットと店舗の連携が取れていないのが現状です。課題は人員的な問題ですね。

遠藤:これから下半期に入りますが、7月以降の戦略についてお聞かせください?

井上:7月から10~20の店舗を出店しようと考えております。また、ウィークリーフラワー等のイベント商品に対し、各店舗ごとで違ったイベントを開くなどの試みも考えております。

坂本:ブライダル、ホテル等でデザイン性を磨いたスタッフにより新商品企画に力を注ぎたいと考えております。

富田:季節感に重点を置いていく方針は変わらず、お盆、彼岸向けの商材や年末の枝物を産地直送で仕入れていこうと思います。またパッケージのキャパを向上させていこうと思っております。

日坂:これまでどおり、先ほど申し上げた広・中・地域に対しての戦略を実施していこうと思います。

質問者:花屋と量販店という大きな二つのチャネルがありますが、この二つは共存できるとお考えですか?また、日本の花消費はどのような拡大をしていくでしょうか?

日坂:どこのチャネルであろうと消費者が「花を買った」ということが重要だと思います。また、チャネルごとで各々役割が違うと考えているので、チャネルキャプテンがどこというのは考え難いと思います。

富田:お互い競争、競合店だと考えております。

坂本:日本の消費者特性から考え、専門店と量販店を使い分けるのではないかと考えています。

井上:付加価値をどう付けるかという面での仕事がお互い違うと思いますね。

質問者:お花の需要活性化において、このセミナーの意義とは何ですか?


遠藤:生産者から消費者という川上から川下までの情報公開を含め、 お互いの考えを知る機会としての意義が大きいと思います。今後は花業界に限らず、小売店の活性化が必要となってくるでしょう。