わたしの個人HP(http://www.kosuke-ogawa.com/)は、2000年に最初のサイトをデザインしてからは、オープニングの画面にもメニューの構造にも、まったく手を入れないままに8年間をすごしてきた。世間一般で、ブログシステムが始まるはるかに以前のことである。いまから考えると、とくにオープニング画面に貼り付けてある「DAY WATCH」のコーナーは、最初からブログそのままであったように思う。覗いていただけるとわかるが、「DAY WATCH」の内容は、日々のマーケティング事象への感想、関連業界で起こっている事柄へのコメント、自ら企画した消費者調査の分析結果、経営者へのインタビュー記録、献本していただいた本の書評などから構成されている。
わたしのHPに対して、卒業生や業界人からほめられることが一つだけある。それは、HPの更新頻度についてである。わたしは海外にいるときでも、一週間に一回程度は最低でも記事を更新するように心がけている。仕事がどんなに混んでいても、気分の乗りが極端に悪いときでも、とにかく期間を空けずに10行でもよいから新しいネタを提供するように努力してきた。それは強迫観念に近い心理状態なのではあるが、ジョギングをしないで3日間以上すごしてしまうと気持ちが悪くなってしまうわたしの生理とそれは酷似している。
本題である。個人HPの枠組み(トップ画像とメニュー構成)を変えようと思い立ったのは、去年の末のことである。トップ画面をどのようなデザインにするかが、最初の課題だった。一方でブランドマネジメントを研究しているのでよくわかるのだが、トップ画面を変更する決断は、おそらく商品のパッケージを変えることと似ているのだろう。私たち研究者と世間との最初のコンタクトポイントは、昔はその人が書いた書籍や論文だったのだが、いまは個人HPの記事が主になっている。講演依頼も原稿依頼も、TVやラジオへの出演依頼も、HPからやってくる。
8年間、改装を怠っていたわけではなく、自宅を改築することが道行く人の印象を変えてしまったり、回避環境(サービスマーケティングでいう「近寄りがたい雰囲気」)を創ってしまうことにならないかが心配でたまらなかったのである。「改装恐怖症」を断ち切って、実際にサイトのリニューアルを実施した翌日に、最初に更新画面を見た元学生(某リサーチ会社勤務)からある希望が寄せられた。「トップ画面に貼り付けてある「緑の背景」に季節感が欲しいですね」であった。
ちょうどサクラの花が咲き始める3月中旬であった。花の業界でしごとをしているので、サイトの画面に季節感をもたせることは考えなかったわけではない。緑の背景をトップに持っていったことで、それは決定的になってしまった。サイトの作り直しを、「春はサクラ、夏はヒマワリ、秋は紅葉で背景を変えていきたいのですが・・・」と提案してしまった。また、お金の掛かることを思いついて実行してしまった。「しまった!」と思ったが、後の祭りである。
四季(季節)は、自然界が太陽の公転のリズムに合わせて自然に作り出してくれる。人間がネット上で季節感を演出するとなると、それだけである種の緊張感を必要とするのである。いずれにしても、季節ごとにトップ画面の背景を変えていくことが、サイトを訪問してくれるひとびとの気持ちにどのような影響を与えて行くのか?それを興味深く眺めてはいる。
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