先週の金曜日(2月23日)に、米国カリフォルニア在住のフラワーデザイナー、本庄修氏(オサム ホンジョウ)がJFMAの事務所をひょっこりと訪れた。6~7年ぶりになるだろうか。昭和26年生まれのうさぎ年同士である。まだ若かったころ、カリフォルニアの日系花生産者を取材していてオサムさんと知り合った。「日本から来た若いデザイナーで、ずいぶん頑張っているのがいるよ」と米国人の卸業者から紹介されたことを覚えている。
あれから20年が経過した。オサムさんは、メジャーリーグで活躍している松井やイチローのように、米国のフラワーデザイン・コンテストで数々の賞を獲得した。日本の『月刊フラワーショップ』(草土出版)などにも、米国のフラワーデザインなどを紹介していた。その後程なくして、造花製造のコンサルタントとしても活躍しはじめた。独自の「インテリアフラワー」(精巧なアートフラワー)を確立し、日本と中国のシルクフラワーの工場を指導してきた。中国経済の成長と工場の現地移転で商売は繁盛していたらしく、サンプルを持参してしばしばわたしの研究室に来ていた。
久しぶりの訪問は、オサムさんが最近開発した商品「バイオアートフラワー」と「バイオアートボタニカル」のマーケティングについて、アドバイスを求めてきたからであった。『フラワーショップ』(2007年6月号)にも紹介してもらったのだが、日本の花屋さんの反応がいまひとつだった。他にやり方があるのかどうかを聞いてみたかったらしい。わたしが得意とする分野の商品ではない。オサムさんが期待したようなアドバイスはできなかっただろう。プリントの方法がかなり精巧で、商品は本物と見まがうばかりの絶品である。ただし、高価格商品なので、適当な販路を見つけることはむずかしそうである。
それはさておき、夕食の会話で印象的だったのは、中国に対する互いの認識の一致であった。オサムさんの問いかけは、「ウォルマートは、米国の庶民の生活をほんとうに豊かにしたのか」であった。わたしの答えは、彼とまったく同じであった。「安い商品は、中国からの輸入で買えるようになったが、その反面で雇用は失われている。豊かさを享受できたのは一握りの金持ちだけではないのか」。低価格のシルクフラワー商品ではなく、敢えて高額商品(インテリアフラワー)の製造販売に取り組もうとしているのは、そのアンチテーゼである。オサムさんは強く主張して帰った。「花屋さんであれ、造花屋さんであれ、花のしごとにプライドを持てるように、そして収入面でも豊かさを提供したい。ウォルマートのような流通業者は、真っ平ごめんだ」(オサムさん) |