中国関連

日本と中国を行き来する西村社長コラム ~中国の植物ネット通販事業構造~

2020 年 4 月 27 日 月曜日

中国では現在アリババや京東などのネット通販が爆発的に動いていることは誰でも承知しています。アリババが運営する陶宝ネット通販サイトにおいて植物を一般消費者に販売する業者は優に100社を超えています。こちらの会社も半年前から通販事業を開始しました。感覚的に利益が出ない構造かとは思いましたが、今回はこの危険なビジネス構造を紹介したいと思います。

まず、商品は主に観葉植物と多肉植物に限られます。理由は梱包、配送時の品質トラブルが少ないことによります。年間安定供給が可能であることも一因です。アリババでは中国の中低辺の購買層がターゲットであり、購買可能価格は低く、15-30元(250-500日円)です。商品原価を見ると植物体の仕入れ費が2.5-3元、化粧鉢および簡単な資材費月2-3元、梱包等の委託手数料が1.5元、宅配運賃が3.8元/1㎏以内、ネット店舗使用料が販売価格の20-25%、合計商品コストはおおよそ10-12元、売上に対する店舗運営費を除く実質売上はおよそ12-25元とすると利益は2-13元となります。

問題は新規参入組が大きな販売を目的とするにはこの他、販促費として顧客に対する20-30%ものディスカウントを行う必要があることです。この値引きによりあっという間に毎日の商品販売数が2000‐5000個とさすが人間大国中国と思えるような驚く数字になりました。ただし、売れば売るほど赤字計上となることは明白であり、最近この値引きポイント制を廃止した所、1日当たり500個まで減少しました。これとは別に10月1日から1週間の国慶節休暇期間中には通常の三分の一まで購買数量が減少しました。これは購入者が出勤日に暇を持て余して携帯電話で通販サイトをひたすら見ていることによります。当然この商品は購買者の出勤している場所へ届けられることになります。

この他、商品の返品率が約4%であり、この返品に伴う返送費用もコストに跳ね返ります。中国におけるネット物流の規模に関しては日本でも良く話題になります。しかし、このような比較的低価の商品の流通においては

サイト運営会社にとっては大きな利益の源泉であるにしても、業者にとって決してそうでないことがわかります。この中でも示したように中国の価格の安い観葉植物等の生産品をうまく利用して日本の価値付加技術と合わせて利益を出していくことが重要です。

MPSニュース2018年10月号掲載


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