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海外視察レポート

2008年 欧州ツアー座談会


1月23日から9日間の日程でJFMA欧州トレンドツアーが開催されました。参加者の中から代表してツアーのお話をしていただきました。

出席者:  
■ クリザール・ジャパン㈱ 代表取締役社長     海下 展也 氏  (コーディネーター、団長)
■ ㈲昭和花き研究会 会長 菅家 博昭 氏
■ 木本生花㈱ 代表取締役社長       木本 孝行 氏
■ ㈱シモジマ 業態開発部課長     佐藤 元一 氏
■ ㈱ミヨシ 量販部主任            谷本 裕司 氏
■ ㈱パーク・コーポレーション ブランドマネージャー   横田 由理子 氏
■ MPSフローラルマーケティング㈱ 代表取締役社長 松島 義幸 氏


アムステルダム


欧州ツアー海下:お陰様で欧州ツアーは皆さん無事に熱心に見て回って帰ってこられ、その段階で75点、後の25点は、どうやって今回のツアーを今後に活かしていく事かにかかっています。初日、アールスメアの訪問ですが、規模が大きいなということは、皆同じだと思うのですが、それぞれ感じられたことはありましたでしょうか?


佐藤:バケット洗浄部分がものすごく近代化されている。リサイクルダンボールにも感動しました。20回以上使っているレッテルがべたべた貼られていて、1回で捨てるのはもったいないなあと。箱もバケツも未返却率が1%未満と聞いて、お金ではなく、意識が高くなければできないことだと感じました。あと、市場のバックヤードにあるヒルベルダ・デボアが花の自動搬送機で繋がっているのは、日本では難しい事だと思いました。

菅家:アールスメアとフローラホランドが1月1日に合併して発足、本社がアールスメアの場所、ロゴがフローラホランドになり、スタートの現場を見てきたことが非常に大きい。もっと大きくなり、将来的にはあそこの場所にも無いかも知れないということでは、節目の年と感じました。

松島:洗浄もだし、直結している自動搬送機はものすごく合理的で日本ではなかなか考えられない事です。

海下:アールスメアとスキポール空港間が車で20分。その間を自動搬送機を利用して地下で繋ぐ話が2年前にありました。その前段として先ずアールスメアとヒルベルダ・デボアのある地域が繋がった。その後止まってしまい、どうしてかな?と思ったのですが、どうやら市場合併後の様子を見ていた。あのコストは大変安くて、飛行場に行くトラックが渋滞する中で、便利だし、規模がすごく大きいですね。

  佐藤:昨年11月の花卉園芸新聞にドバイのDFC(ドバイフラワーセンター)の話が載っていましたが、合併はその話にも関係があるのですか。

海下:ドバイには2つの会社がオランダから出ていて、1つはダッチフラワーグループのオーゼット、もう1つはブラックチューリップ。オーゼットは去年末撤退しました。そこで働いていた人達は、今ブラックチューリップで働いています。今、フローラホランドが日本に持ってくる量では、採算が合わないそうですね。ケニアからドバイを経由して日本へと考えた時に、何百万本/年では単位が一桁合わなくて、何千万本/年でないと採算が取れないということです。

松島:前回合併が決まった直後にお邪魔してお話を伺ったのですが、合併しても表面的には何も変わらないとのお話でした。では何が変わるのか?輸入なり、生産の支配が変わるということです。一緒になる事で、より支配力を高める事になる。

菅家:一昨年の12月に行った時に、マーケティングスタッフだけで1社180から200名、全部で400名くらいいました。人件費を縮めていかないと非常に難しい。海外に拠点ができてオランダと関係のない動きがでてきているため、体力をつけなくてはいけない。ケニアが大統領選挙、政権交代で混乱で道路が封鎖されケニアの荷物が入ってこなくなり、反面かすみ草などで見ると、エクアドルなどこれまでは来ていなかった産地のものが大量に入ってきたり、世界の動きがアールスメアのシェア率を大きく変えてきています。2社では経済競争だが、1社で安定供給でやっていく事が海外へ対する支配力だと思います。

海下:今回の合併で、売上が少なくとも4,400億円になると思うのですが、これは日本の200社の市場全ての売上を合わせたのと同じ金額になります。商物分離で、相対契約をして産地から顧客へ直接送り始めているから、生産地が別にオランダ国内でなくても良い。ケニア、エチオピア、エクアドルであったり、そういった事が今大きく動いている。
日本も2009年に市場の改正があり商物分離が実際に起こってきて、輸入商社のAさんがマレーシアのスプレー菊を成田に着く前に市場で予約相対で販売され、物流上は市場を通さずに直接顧客へ行く事になる。そうでないと運送費も無駄になる。

佐藤:新聞によるとドバイは石油が取れなくなってきているとの事ですが、今お金が余っているので最新鋭の設備を導入していて品質管理はオランダの上を行っている。税金もかからない。世界の中心にあるので10年後、20年後にはドバイを中心に花が動くという構想があると言う。まだまだ先の話ですか?

海下:ドバイはアラブ諸国の中で石油が取れない唯一の国で、金融国になろうとしていました。金融を制したら、次はレジャー、次に物流の拠点になろうとしています。物流の拠点にと言うことでは、オランダもEU圏内のトラック会社の4割がオランダに集中しています。日本からイタリアへ行くときは、KLMで行った方がオランダ経由であってもアリタリアで行くより、早く着く。市場手数料も日本の場合は10%ですが、オランダは売り手が4%、買い手が4%、計8%になるのですが、その中の0.5%ほどはプロモーションに使ってほしいということで、年間10~20億円は、切花、鉢物のプロモーションに使う。同じような事が、IBC国際球根協会でもやっていて、今年は球根のガラス容器栽培をプロモーションしている。ここ5年くらい前までは産地直送はそんなに盛んではなかったのですが、この5年間は産直が多いです。
インターグリーンが花束加工するのに、80%は契約栽培しないと揃わない。それに市場がきちんと対応するために動いたのだと思う。

佐藤:スーパーの伸びに比例して機械競りがどんどん減ってきているとの事ですね。

海下:はい、減ってきています。在宅競りの概念があるので、競り前の相対で沢山出しておいて、残りを競りにかける。オランダの中で10年くらい前に起こった事ですが、普通の買参人とスーパー仲卸を作り、スーパー仲卸は先に買える特権があり、スーパー仲卸が後で仲卸に卸すと。スーパー仲卸を作った時に、予約相対で大量に買ってくれる顧客を何件か作っていた。

菅家:さっき佐藤さんがおっしゃった、オランダの B to B のところは、ほとんどリユース(通い箱)。ダンボールも10~20回、バケツも何度も使う。店頭はまた別なのですが、コストのかけ方が明確に違う。そこが日本の産地に繰り返し話しているのですが、なかなか皆さん依然変わらない。バケツは、ELFなど企業によって形が違うがある程度進んでいるけれど、ダンボールのリユースはどこも取り組んでいない。リユースが一番の日本の課題であると思う。

海下:今の話を裏づける事になるのですが、スプレーマムの生産コストですが、マレーシアは1本の生産原価12円、オランダ26円、日本は53円です。その中で日本は出荷経費(梱包費+輸送費)がとても高くなっていて、過度に素晴らしい梱包とスペースいっぱいの輸送をしています。アールスメアでは出荷経費は商品の4%~5%になります。日本の場合は12%。工業製品を作られているところで、出荷経費が10%を超えると何かおかしい。日本はそこまで考えずにやっているのではないか?オランダはものすごく考えています。

菅家:出荷経費が原油価格高騰で、輸送費の値上げとダンボールの値上げで更に高くなっています。中身の日持ちとかクオリティーではなくて、商品の個性化がダンボールの個性化になってしまっている。この20年間、中身の個性化がなされなかった。2001年ELF輸送が始まって、中身が見える輸送で、ようやく花色の豊かさなどにサイが打てるようになったが、全体的には変わっておらず、大きく転換すべきところだ。

海下:オランダ人の発想なのですが、生産者から運ばれた箱を開けて店頭で水揚げします。その後水を替えます。1回触る毎に、0.5%の花がダメージを受ける。水バケツ輸送は、生産者から花屋さんの店頭までほとんど触らなくて届くと言うところでもメリットがあるみたいです。

パリ ~メゾン・エ・オブジェ~


欧州ツアー松島:兎に角情報発信したい!という出展者側の意気をものすごく感じます。そこがすごい。クリエイティブなものを生み出して、そこで初めて発表して売ろうというのですから、写真撮影は許さないのも当然と思います。IPMは自由に撮れたが。

海下:おそらくメゾンに出展して知名度を上げたいというので、彼らのホームページを見ると、最新作と言っていたものも載っていたが。メゾンはそもそもライフスタイル上のインテリアに花とか鉢が入っていたのが面白い。造花もあったが、かなり生花を使っていた。なぜこんなにアマリリスばかり使うのだろう、球根がすごかったですね。

谷本:メゾンはまったく初めてです。ただただ大きさにびっくりしてしまって。日本で例えると、「ギフトショー」のイメージで見ていました。日本と違うのは、いろんな生活にかかわる全てのものに花が入っている、ギフトショーではどんどんグリーンが小さくなってきている。全然関係のないブースに花があったり、文化の違いを感じるが、何とかしていける方法はあるのではないかと思う。

佐藤:私共もギフトショーに出展するのですが、日本の会社は商品発表会みたいな位置づけ。D&Mは1件で2000万円の商談とかその場で商売が成り立つので、あんな大きなスペースが可能なのだと。あと、花器がすごく多い。ホームユースが定着している事を感じる。

松島:オランダ花卉協会の調べで、オランダの家庭では花瓶が平均21個あるのに対し、日本の家庭では4個と言うことです。彼らは日本でも定期的に市場やお花屋さんに行って調査しています。その数字は皆さんびっくりされますね。

谷本:日本と全然違うのは、キッズコーナーのスペースがとても広い。そしてキッズコーナーの中に花育を感じさせるものがいくつかあった。

海下:IPMの2階にロスタンというフランスの皮手袋と園芸エプロンの会社があるのですが、面白いと思ったのは、キッズのガーデニングセット(手袋、皮に入ったシャベル、バケツ)があり、子供が遊べるようになっていて、こうやって遊びましょうと書いた小さな本が付いていて、興味深かった。

佐藤:途中で寄った園芸店とペット屋さんお花売り場の並べ方もおもしろくおしゃれでしたが、花器を売るのに、フラン・フランやコンランショップの高級なところとホームセンターが完全に分かれてしまっている気がします。中間は、青フラさんのような高級なものもあるが、ちょっとこなれたものも扱っておられるので、花器の販売方法では日本だとお花さんが向くのではないか。

海下:日本で花束を通販されているところで、花器付きは輸送で割れてしまう危険があるので大抵プラスティック。アメリカやヨーロッパでは、ガラスの綺麗な花器が通販で販売されていたり、お花屋さんにも結構良い花器があります。

谷本:まったく対照的に、花器を使わないブーケは目からうろこでした。フランス人は水を替えないし、足さない。あれで枯れればそのまま捨ててしまうんだと言われてちょっとショックでした。

海下:クリザールの実験データをお話すると、エコゼリー、水だけ、延命剤入りの水、オアシスに挿したものの中で一番持つのは、日本の投げ入れのような延命剤入りの水。逆にエコゼリーに延命剤を入れてもあまり持たない。

佐藤:保水しないですね。ステムティッシュにアルミホイルの保水はどの花店でも見なかったですね。

横田:メゾンはアイデアを探すことが一番の勉強になりました。

松島:ディーテイルの工夫で気づきがある部分と、大きなトレンドの発信と両方の意味がありますね。

菅家:地政学的に見ると、場所の占有が主催者の意図だと思います。中央通路のいい場所に面しているブース、入場客が沢山いるブースがトレンドでフランスの主催者が一番主張したい場所だと考えます。資本力を持っているところはプ゚リザーブドよりもシルク、造花のシェアが大きくスペースを割いていた。植物と共にある暮らしを演出しようとしていると感じた。

佐藤:資材が少ないのにびっくりした。ロンドンでもドイツでも一緒だが、色も2~3色の組み合わせで表現している。ラッピングは日本人のように几帳面ではなく、自由な形で表現。

菅家:訪問した花店が皆経営者の名前であるのがパリらしさなのかなと感じます。

海下:ラッピングは風呂敷文化で日本のお家芸。オランダのデザイナーはラッピングは下手だが、特色として、彼らは一瞬一瞬でいかに花と花を合せるかというデザインで勝負している。オランダの街角の花店は、多様な素材を使って違うものを作りながら魅せて気に入ったものを買わせる。それが個性で個人名を持った花店が多いのだと思います。

スーパーで売られている花が二十数%となってきていますが、街が栄えているかどうかの視点は、有名な花店があるかどうかで判断できます。

松島:フランスは高級な街のお花やさんとモンソーのようなチェーン店で棲み分けができています。モンソーはこんなに売れるのか?と思うくらい花の量が半端ではなく多い。日本は売れないから並べないのでしょうか?

松島:ヨーロッパのスーパーではミックスブーケが定着していますね。

海下:日本はスーパーのモノブーケの品種が世界一多いですね。テスコ、マークス&スペンサーはほとんどミックスブーケです。

佐藤:日本は花の名前や値段を全部書いていて、サービス過剰ではないか? 

松島:青フラさんはそれに加えてもう一言、季節のこんな花です、こんな使い方がありますよ、ともう一言加えている。それが売れる要素の一つになっている。店頭での工夫はいろいろあると思う。お花にエンタテイメント性を持たせた時にまた違った展開になるのではないか。

菅家:消費を伸ばすにはヘビーユーザーを増やすために、何も書かないか、エモーションで買ってもらうか両端である。問題は、例えば「福島産」と書いたときに、それがどういう位置づけなのかが分からない顧客もあり、産地表示を出すのは、業態と顧客によって整理しなければならない。

菅家:マークス&スペンサーのケンジントン店の地下の花売場を5年で3回見ているのですが、変わったのは、バイキング形式のシングル・ステム売場ができたことです。日本的になってきた気がします。

海下:花を買う人がどういう買い方をするかアメリカで調べた事があり、人は何を感じて花を買うかというと、びっくりした時に買う。びっくりした時に、初めて価格を見て値段より驚きの方が大きいと買うのがパターン。ストーリーであったり、大きい、かわいい、ボリュームがあるなど。そうでないと、POPを付けても、通り過ぎててしまう。青フラさんの様に黒板を出して、高級レストランのように、感動を顧客に訴えかけるのは良いことだと思います。

デュッセルドルフ/エッセン  ~IPM~


海下:基本的にIPMは鉢物の展示が中心ですが、に資材や切花も盛んになってきました。切花は5年前からドイツのDFD(生花商協会)がはいってきて、トップデザイナーがデモンストレーションをするようになってきました。

横田:初めての参加で、素材だけが多いと聞いていたのですが、ディスプレイがおしゃれで、メゾンより現実的で取り入れるものが多くありました。

佐藤:フランスはイメージで展示していますが、ドイツは商品を前面にだすので、展示会としては日本人向けですね。

松島:メゾンもトレンドをつかむ事と、マーケティングを考えた時の素材であったり取り入れる要素はいくつかあるが、IPMは役に立つ展示会です。IFEXも今年5年目を迎えるが、この2つは非常に目指したい展示会であります。

谷本:クリスマスローズが活発に動いている印象を受けました。

海下:日本より、トロピカルフラワーがずいぶん使われていて、驚きました。

谷本:スペインブースは他国と違いユニークでお店の売り場のパッケージと商品が一体化している展示が面白い。什器ごとお店に持って行けばすぐに売れる状態。ラベルが極端に大きく、特に宿根草のラベルは商品が見えないほどで、ラベルで印象付ける展示が目だっていました。

菅家:球根や苗木のディスプレイの周りに植物の開花した写真を飾るのではなく、子供や女性の表情の写真で豊かさを表現している。ヒーリングに使う植物の場合は、座禅を組んでいる姿の写真を飾ってあったのが印象的です。 数年前から植物でどんな豊かさが得られるかという植物がもたらす効能を明確に表現しています。FFFPのプランツのプロモーションやアールスメアの仲卸のポスター、ホームセンターのポスターも老人、子供の表情が多く見られた。



欧州ツアー

海下:GAZA(デンマーク鉢物輸出組合)は毎年トレンドをつくっておりデンマークとして発表しています。鉢でも花でも商品を必ず3個ずつ並べて印象を強める寄せ植えをし、付加価値を高めています。

松島:GAZAは370~380の生産者の作っている物や現在の状況が全てコンピューターで管理されており、生産者の出荷可能時期が把握出来ています。ダンポッドシステムで、注文が来るとトラックの道順まで画面に出てくるシステム。

菅家:オランダの花卉園芸協会が「デザインバイミー」を提案、メインの花やグリーン、ラッピングを顧客がチョイスし、最後にカウンターに持って行ってデザインしてもらう。人手不足の花屋をどう切り盛りするかのためのユニークなアイデアで面白いと思いました。

イギリス

 
菅家:M&Sのレジ脇で水仙10本束を販売していたが、ラッピングもバケツに水も入れておらず、上手く旬に国内の水仙を売るという独特の売り方を見た。利益ではなく、水仙を生ける文化を無くさないためのプロモーションができるイギリスの幅のある小売業を見た思いです。インターグリーンの周りに水仙が目を吹いていて、ほとんど見ることのできないイギリスの産地を見ることができて良かった。

木本:一般的には、交通の便が良く、空港に近い場所に花束加工場があるのだが、不便な場所だが生産地の中に加工場があることに新鮮さを感じたし、産地と連携するためにはいい事だと思う。今後地元の生産者取り組んで行きたいと思う。オランダからチューリップを輸入するのではなく、地元のチューリップを販売している。日本でももっと取り組んで行きたいと思いました。TESCOで購入した花についていたラベルのカーボンフットプリントの「By Air」の表示は、デメリットの意味なのでしょうか?

海下:これはTESCOが始めた事ですが、やっと15年位かけてTESCOの花は新鮮だというイメージを定着させました。次は、TESCOの花は安全だということを知らせたい。商品の品質以上に、購入していただいているお客様は、社会貢献もしていますよという意思表示の様な気がします。

松島:ジェット燃料を使ってCO2排気してしまったので認識してくださいという告知ですね。TESCOはエコマイレージを表示するという告知を2007年1月にしていますので、前段のアクションだと思います。

海下:セインズベリーは国産のスプレーマムを使っているので輸入のマムより値段が高いけれど、社会貢献したければ買ってくださいねということをきちんと表示するために始めた「Grown in U.K.」のシステム。もう一つ、フェアトレードのマークが付いているマクスハベラという認証団体のシ-ルが付いているケニアの製品を販売しているM&Sは高いけれど社会貢献したければ買ってくださいという意思表示をしている。

木本:カーボンフットプリントは何処が認証するのですか?

海下:カーボンフットプリント自体は非営利団体NPOでCO2の排出を記録するのが専門的な考え方です。例えば大きな工場で7%CO2の削減努力をするには、大きな管理費用がかかります。ところが低開発国からCO2を排出する権利を買えばはるかに安く付く。日某スーパーで排出権付きのエコバッグを販売すると我国の消費者に受け入れられ非常は売れ行きだったそうです。

木本:消費者への意識付けができた段階でその先は地元生産者保護に繋がるのでしょうか。

菅家:M&Sが推進しているプランAに関してカーボンオフセットというか、できるだけ二酸化炭素を出さない暮らしをしましょうと提案しているのですが、売場での地元優位の差別化にはまだ至っておらず、どっちを優先して売ろうというプロモーションにはなっていません。ただ野菜売場には「国産はGreat!」と表示されていたので、会社の方針としては、大きな大陸間の輸送はできるだけ止め、ローカル性の高い国産を使う方針を出していると思います。

海下:M&SのプランAは5項目あって、①CO2を廃棄しないことに気を遣って行こう。②ごみを出さない、地表に捨てない。③何でも供給するものは安定して供給して行こう。④M&Sで買いものする人の生活向上。⑤顧客と従業員のよりロハスな健康で楽しく生きる生活を促進する。と言う方針です。またTESCOでは何が売れているかを見ると、カーネーション、スプレー菊で50%。次が水仙が来ています。地元の商品をうまく供給して沢山売られている証明です。

菅家:球根の輸出でも日本に入れるには1年間隔離栽培が必要だし、技術検定などで輸入が難しい種苗になります。市民生活が直面している問題や公共が求めている問題に対して先回りして対応しようとしているのがイギリスの小売業の特徴だと思います。それに対して供給の仕組みも、見直すことを自らやっている。発信源になっているところは取組が早い分リーダーシップを取れる。オランダはそれに足を引っ張られて物流ではトップだが、コンセプトでは1歩遅れている印象がありました。イギリスは花産業の中心ではないために花が特別ではなくて、企業、売場のアイデンティティーの中に花も入っているというのは日本が学ぶべきことだと思います。

横田:スプレーマムやカーネーションはヨーロッパのスーパーでは人気なのか、それとも鮮度にこだわっているから多く使われるのでしょうか?

欧州ツアー 海下:単品では長持ちして色が多く楽しめるものがよく買われています。菊はもともと仏花でしたが、スプレー菊が出てきて色を楽しむように考えが変わってきました。

木本:M&Sでも仏花の区別はなかったですね。

海下:日本と違い、仏様(神様)と家族が同居していないので仏花(供養花)を家用に買わないです。お墓に供える時の供養花が中心です

松島:ZwetslootsでもInterGreenでも受注のリードタイムが前日、或いは2日前と短いですが、TESCOのサプライヤーとして年間供給契約をしてもらわなくても、サプライヤーとして決まっているので、毎年の実績が使えて大きな狂いないので問題ありません。日本は必ずしもそこが決まっていない。サプライヤーは、注文が来るか来ないか分からず、加工場にストックを置いて置かなくてはならないので、鮮度の問題、廃棄損の問題が出てしまいます。

海下:日本と違う大きなポイントはその日の各店の販売ポスデータが順次花束加工会社で見ることができる点です。同地域の売れていない店舗から売れている店舗へ商品を廻し、チャンスロスを無くす。共通の売り上げと利益目標以上に売れた際の利益はインターグリーンとテスコが分配することになります。ポスデータが開示されてるため、仮注文からの増減も予想がつき易くなります。そしてもう一つ大きいのは、市場調査会社のニールセンがその月に、その地域で売れた花の販売金額を公表していることです。運命共同体の位置づけで、サプライヤーにパートナーという概念を与えたスーパーマーケットの功績は大きく、現在大手の花束加工会社の業績は伸びています。

木本:日本でポスデータをそのまま渡すスーパーはどこもないですね。

菅家:日本でも農協の経営している直売所は売上データを出展者の農家に渡し、売上を伸ばす要因になってチャンスロスを無くしています。

松島:インターグリーンの徹底的な温度管理は素晴らしいし、動線が良く考えられていましたね。

海下:今日は貴重なご意見をお聞かせいただき、ありがとうございました。日本の花き業界は、ヨーロッパに学ぶ部分がまだまだあると思います。そしてこのツアーで得た知識や体験を日本流のシステムとして作り上げ皆さんの今後のお仕事に生かしていただければ嬉しく思います。 


2007年 ホルティフェア


2007年のホルティフェア(10月9日~12日)は、ユーロ高で海外からの来場者が減っているようだ。とりわけ、北アメリカからの生産者が少ないように思う。代わりに、エッセンのIPMに行くようになっている。 (Grower Talks Acres Online October 11,2007 )


2007年ホルティフェアから見るトレンド

  過去数年と余り変わり映えはしないものの、今年の全体の傾向からトレンドを分析している。
 【色】パッケージ等に色の迷ったら、黒・白・グリーンで間違いなし! 特に黒白は安全パイ。一番人気はモスグリーンか。オレンジ・イエロー・グリーン等のシトラスカラー、ピンク、バーガンディ、ブルー×グリーン、ブラウン×オレンジのコンビネーション等もう少し傾向を追っていく必要がある。
 【形】住宅の手狭感やヨーロッパで多くの観葉が窓の幅にデザインされていることから、6インチから12インチの高さのものが人気。ねじれたものや曲線を生かしたものが多い。
 【アイテム】花壇苗は人気なし。主なところで、パンジー、プリムラ、ハボタン、ケール等、9cmポットで売られている。品質良好にも関わらず、1ポット卸値で22ユーロセント。
 【染め】ポインセチアの染めについては未だに賛否両論のようだが、染めラメ邪道は今は昔。ホルティフェアではピンク・ブルー・イエロー・パープル・ゴールド・シルバーにベタ塗りされた鉢のキャベツやレインボーカラーに染められたものが展示されている。(Grower Talks Acres Online October 19,2007 )

レトロな多肉品種がトレンド

70年代のレトロな多肉品種が昨今の忙しい消費者の生活に完璧にフィット。再びブームの兆し!基本的に水遣り等の世話がほとんど必要なく見た目もスタイリッシュ。(Greenhouse Growers  Sep.2007)

学校でのガーデニングをサポート

学校でのガーデニングをもっと盛んにするために、先生と生徒のためのウェブサイトが作られた。ウェブ情報をもとに、ガーデニングをもっと課外授業に取り込んでもらうことを目的としている。(The Garden Sep. 2007)

デンマークでバラの生物学的コントロールに成功

 デンマークでは、生産者と指導員が密接に協力し合うことにより、天敵農薬による生物学的保護管理が成果をあげている。(The Garden Sep. 2007 )

 


2007年JFMA欧州研修ツアー レポート 


2007年JFMA欧州研修ツアー          

日時   :2007年1月24日~1月30日
 視察地  :IPM国際園芸専門見本市(ドイツ・エッセン)
        メゾン・エ・オブジェ(フランス・パリ)
        アリスメール生花中央市場(オランダ・アムステルダム)
  レポート :フローラルマーケティング株式会社 技術部 津田歌世子

パリ MAISON & OBJET

2007欧州ツアー
  Maison & Objet 国際展示会では市場の期待にマッチしたアイデアを提供しており、その参加企業は3300以上である。
今年のテーマは祝賀(セレブレーション)~皆、家で集まり幸福な時間を過ごす~であった。プリントにも力を入れており、日本からはサンゲツを含む130社の出展があった。プリント地の壁紙や布を額に入れてディスプレイするなどであれば、水を使う花屋であっても、取り入れることができる。また、インテリア・デザインは、18世紀クラッシックに向かっているが、それは大きな多様化の流れの中での変化に過ぎないとのこと。また、グリーン、白、自然がトレンドの一つ。各ホールの展示テーマは以下の通り。

 1.エスニクス  2.テクスタイル(布地)  3.テーブル、食器など  4.エスパース(空間)  5.コテ・デコ/ホームアクセサリー~花器、ガーデンデザイン、日常生活雑貨、オブジェ    
  6.子供の世界と家庭雑貨   7.NOW(ナウ) 


パリのお花屋さん(荒井好子さんからのレクチャー)

パリのお花屋さんは3つのタイプに別れる。80年代以降はやったPatrickDivertなどの花屋と、最新流行の顧客ターゲットを絞って高級な商品をおいているSebastienMengozziなどの花屋、それから量販店の花屋となる。  従来型は、高級から大衆的なものまで品揃いして店も大きく、ターゲットが絞りこめていないことから流行についていけない。最新型は、比較的小さいお店で高級なものを扱っていて、従業員も少数。

オランダアールスメア生花中央市場視察


アリスメール市場 オランダアールスメア生花中央市場の視察を行った。2800名の生産者により、市場が所有されており、この市場に納入している生産者は3,000名である。生産者は、切花をバケットに入れ、AM4:00~市場に荷物を運び入れる。出荷伝票は、生産者からあらかじめ、市場にネットで送信される。1日の扱い量は、切花2千万本、鉢物2百万本。バラは、35%を占める。せりのクロックはネットにつながれており、現在、40%以上が在宅せりでせられる。 せり落とした人ごとに分貨された荷物は、このアームで、自動的にトラックまではこぶことができる。1時間に2600台車分輸送することができる。